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FRB利上げ 日本経済への影響は?

相次ぐ米地銀の破綻。そして未明に報じられたアメリFRBによる0.25%の利上げ。いま、世界経済はどうなっているのか? 日本への影響は?

SNSを介して信用不安が駆け巡り、シリコンバレーバンク(SVB)など2行が破綻に追い込まれたことに引き続き、今月1日にはファースト・リパブリック・バンク(FRC)が破綻した。一連の破綻の背景については、新型コロナからの流れを抑える必要がありそうだ。

米地銀の経営不安が収まらない根底には、22年3月以降の米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めがある。20年以降の新型コロナ下の金融緩和で銀行には預金が集まる一方、融資需要は乏しく、米国債などの証券投資に振り向けたり、期間が長めの住宅ローン残高を伸ばしたりしてきた。この流れが利上げで一変し、債券や貸出債権の価値が急落。大きな含み損を抱えたことが経営不安につながった。

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アメリカでは、経済を維持するための巨額の財政出動と金融緩和によってダブついたお金を、銀行は債券投資に充てた。その後、人手不足や部品不足などで供給力が低下し、インフレが着火。それを鎮めるため続けてきたのが利上げだ。金の融通をおさめ、需要を冷え込ませることで、インフレを抑制しようとした。

この利上げによって起こったのが、債券価格の低下である。

銀行がコロナ禍で投資を強め、大量に保有することになった債券の価格が低下したことで、「含み損」が発生。これに、預金者が不安をもち、一気に破綻に追い込まれたという構図だ(と認識している)。

こうした中、昨夜未明、FRBはさらなる利上げをおこなった。

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記事中、このようなコメントが。

足元では中堅地銀の破綻が相次ぐなど、急ピッチの金融引き締めによる「負の側面」が浮かび上がりつつある。

アメリカのインフレ局面は、徐々に落ち着きを見せつつはある。しかし、このような高インフレはFRBはおろか誰も予想できなかったことを考えると、今後、落ち着く方向に向かっていくかどうかは見通せない。

この問題に、もう1つ大きなファクターとなっているのが、アメリカの「政府債務上限」問題だ。

米議会は財政規律を守るため債務に法定上限を設けている。新型コロナウイルス禍での財政拡張などを反映して政府債務は膨張を続けており、1月には現行の上限である約31.4兆ドルに達していた。

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債務上限を引き上げるためには、議会の承認が必要となるが、上下両院がねじれ議会となっているため、民主党共和党による駆け引きが始まっている。記事ではこのようなコメントも。

2011年には債務不履行の直前まで交渉が難航し、米国債が史上初めて格下げになる事態となった。今回も直前まで交渉が長引けば、金融市場の混乱を引き起こす可能性がある。

果たして、日本にはどのような影響があるのか? 日経新聞の一言コメントThink!には、第一生命経済研究所の永浜利宏氏がこのように述べている。

こうした金融不安や債務上限問題への懸念が強まるようなことになれば、より一段の円高圧力が強まる可能性があるといえるでしょう。

円高局面に入ると、輸入にかかるコストが抑えられ、現在の日本の物価高には一定の歯止めがかかるかもしれない。一方、日銀の異次元の金融緩和を見直す機運にも影響を与える可能性がある。

本当に、世界のいろいろな物事が絡み合っている。引き続きウオッチしていきたい。