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アンモニアは夢のエネルギー?

欧米からの批判をどうかわすのか。日本は脱炭素に向けてどのような道筋を描いているのか。

www.nikkei.com

脱炭素がトレンドの世界。日本もカーボンニュートラルを掲げ2050年までに温室効果ガスの実質ゼロを目指している。

原発をどうするのか、再生エネルギーの普及は・・エネルギーをめぐる議論が一段と切実度を増す中、日本が注目しているのが「カーボンフリー火力」という技術だ。

アンモニアは燃焼時にCO2を出さず、水素と共に火力発電の次世代燃料として期待されている。水素は大量調達できる供給網確立が難しく、現状ではアンモニアのほうが安価に調達できるメリットもある。

 

アンモニアを使ってどのようにエネルギーを得るのか。ポイントは石炭との「混焼」だ。

国内火力発電最大手のJERAは2030年に年200万トン規模のアンモニアを輸入する。火力発電所で石炭に混ぜて燃料として使い、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える。

大型火力での混焼は世界初。20%混焼だと排出されるCO2を2割減らすことができる。奥田社長は「20%の混焼は27~28年に商用運転したい」とした。

一方、先日開かれたG7の気候・エネルギー・環境相会合において、この手法は石炭火力の延命につながるのではないかという批判がなされた。

JERAは31~32年に混焼率50%での商用運転を実現し、50年までにアンモニアだけを燃やす「専焼」の実用化をめざす。ただ、欧米の批判がさらに強まれば、事業に影響する可能性もある。

私は以前、カーボンフリー火力と聞いて、現実的かつ理想のエネルギーなのではないかと考えていた。しかし、脱「石炭」こそ脱炭素と考える欧米との間には隔たりがあることもわかった。

いみじくも、この石炭をめぐる考え方について、朝日新聞において元クローズアップ現代キャスターの国谷裕子さんが以下のように指摘していた。

最近の報道には、政策的に重要な課題は国の方針が定まった後で取り上げる傾向を感じます。社会的リスクを可視化して、よりよい方向に対話を促すのが報道の役割のはずなのに、受け身の姿勢になっているように見えます。朝日新聞はどうでしょうか。積極的に問題提起をしていると思いますが、丸くなってしまったな、とも感じます。例えば私も取り組んでいる脱炭素。G7会合で日本が石炭火力を温存させようとしていることについて、他紙のほうが厳しい書き方をしています。

digital.asahi.com

エネルギーをめぐる問題は、専門的でわかりにくい。日本は、欧米からの批判をかわしながら、アンモニア導入に向けて大きく動いた。この行方を見守りたい。